書評/流れ星が消えないうちに
流れ星が消えないうちに
著者/橋本紡
新潮社
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橋本紡さんのハードカバー進出2冊目です!
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良い点
全編に渡り、橋本さんらしい些細な日常が満遍なく描かれているのですが、読んでいて退屈さを覚えない辺り、初期の頃からは随分と成長して「書ける」作家さんになったなぁ~と感じました。
昔の著作ですと描写に物足りなさを感じたりしたものですが、この作品ではそんな不満は全く見られませんでした。
物語開始当初ですでに亡くなっている主人公・奈緒子の恋人・加地くんが、とても良い味を出していました。
特に、文化祭のプラネタリウムイベントを利用した『告白』の仕方がロマンチックで素敵です!
うわぁ、こんな告白のされ方をされたら、そりゃ惚れちゃいますよ(笑)
特に普段、おっとりしており他人に劣等感を感じているような印象のある奈緒子には、素晴らしく効果がある告白法だったように思えます。
過去シーンの多くに登場する加地くんは、死してもなお主人公達に影響を与えていたということが納得のいく見事な好青年でした。
あと、家出してきたお父さんも良い味を出していましたね。
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悪い点
特にありません。
ただ、なにか物足りなさを感じてしまいました。
全体的に良く纏まっているのですが、強いて言えば、もっと波乱があっても良かった気はしましたね。
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総評
一般文芸にて新作を書き始めた橋本さんですが、実に安定した質を保っております!
明らかに、ライトノベルではないことを意識して文章を書いていることが、読んでいて伝わってきました。
それなのに全く違和感がありません。
もはやラノベの枠を超えた作家の一人として数えても、問題ない力を持っておりますね。
ただ、いつもどおり地味な作風なので、大ヒットとは無縁でしょうね(^^;)
個人的には、橋本さんはもっともっと大きくて派手なお話を書いたら、さらに多くの人に知られる作家さんになれる力があると思っているので、歯がゆいところです。
でも彼の選んだ作家としての道は、きっと今の方向で正しいのでしょう。
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余談
橋本さんのブログによると、割と最近に出た「ひかりをすくう」はさらに地味な作風だとか。
正直、ハードカバーだけに値段が張るので手に取るかは微妙なところなのですが、影から応援したいと思います。
――彼ならいつかきっと電撃文庫に、帰ってきてくれるはずです。
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