書評/レインツリーの国
レインツリーの国
著者/有川浩
新潮社
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『図書館内乱』を読んだ方ならぜひぜひっ!
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良い点
「図書館内乱」で最も好きなエピソードが第二話の難聴者のお話でしたので迷わず購入したのですが、期待に違わぬおもしろさっ!
序盤は主人公が感想サイトの感想に共感して、メールを送ってしまうというもの。
あーーーーーーーーーもうっ!
共感できすぎて困ってしまいました(笑)
特に、期待を裏切る衝撃的な結末を迎えてしまった作品「フェアリーランド」について、主人公と管理人の女性がメールで語り合うのですが、これがまた実に奥が深いやり取りなんですよね。
その作品の特徴が、私の好きなラノベ「イリヤの空、UFOの夏」に似ていたので、二人の語り合いには、なおさら共感してしまいました。
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最も好きなシーンは、二人が初めてデートをしてケンカをしたあとの生々しいメールのやり取りです。
主人公の「どうして障害があると初めから教えてくれなかったのか」という気持ちはもっともだと思いましたが、一方でハンデを持つヒロインの悩みも深刻そのもので。
読んでいて二人の本音のぶつかりあいが、心からの叫びが胸に響ました。泣きそう…。
そして、彼女の何気ない仕草や見た目の特徴が、彼女の持つ障害を示唆しているものだという展開には、唸らされましたね。
私は読む前から彼女の障害について知っていたわけですが、前知識の無い人ならなおさら驚くのではないでしょうか。
それにしても、主人公・伸が実に格好良かったです!
特にメールのやり取りから、彼がいかに聡明で、真摯な人間なのか思い知らされました。
あぁ…、自分もこういう人間でありたいものです。
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ラストも良かったです。
特に序盤でメールで語り合っていた物語の感想を持ち出してきて、前向きな終わり方だったのが嬉しい!
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悪い点
特になしです。
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総評
個人的には、有川浩さんの作品は人間模様の描き方こそが真髄だと思っているので、軍事的な内容を持ち込まなかった今作は非常に好みで、楽しめました。
メールで行なわれる二人の心からのぶつかり合いが、美しく醜く、何より清々しい!
私にはこれほどまでに真剣に思いをぶつけ合える相手というのがいないので、なおさら新鮮味を感じてしまったのかもしれません。
人間って素晴らしいっ。
何より、この作品は肯定しています。
障害者だけでなく、人間を……!!
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余談ですが、あとがきには思わず吹き出してしまいました。
「自衛官が地雷処理とかで失敗して……」
私の位置付けはすでにそこかっ!?
(*´ー`)
ごめんね、有川さん。
ええ、その通りです、あなたの位置付けは間違いなく、そこです(笑)
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コメント
はじめまして。
「レインツリーの国」と「イリヤ」でぐぐってここに来ました。自分は作中で「フェアリーゲーム」として語られている「妖精作戦」シリーズが使われているということでこの本を読んだのですが、「妖精作戦」をリスペクトしている「イリヤ」についてもこの作中で取り上げられているように思えるので、他の人の意見を聞いてみたいな、と。
それは、伸の両親(&おばさん)が美容師であり、伸はできないまでもそのセンスがあるという部分。そう、「イリヤ」における浅羽の家は床屋さんですね。
そして、この設定を受けて第5章でひとみを連れて美容院に行くシーン。若干のシチュエーションの違いはあれど、ここで「イリヤ」4巻の折込イラストと情景が重なるように感じられるのです。ああ、浅羽の夢をこのような形でかなえてあげたのかなって。
どうだろう?考えすぎでしょうか?それとも既に語られていることでしたらすいません、と先に謝っておきます(笑)。
投稿: やま | 2006年10月18日 (水) 01:25
やまさん、はじめまして^^
>それは、伸の両親(&おばさん)が美容師であり、伸はできないまでもそのセンスがあるという部分。そう、「イリヤ」における浅羽の家は床屋さんですね。
( Д)゜゜
言われてみれば、確かにその通りですね。
偶然にしては、できすぎかもしれません……。
「M’s Life」さんという感想サイトでもその話題を取り扱っておりましたが、私が知る限りでは、そこに気づいた人は“やま”さんが初めてです。
>ああ、浅羽の夢をこのような形でかなえてあげたのかなって。
その考え方には、震えが走りました。
うわぁ、もし本当にそうだとしたら、凄い感動的ですねーーーっ!
というか、そうであって欲しい……。
他の人と、この話題についてあまり話したことがありませんので、私には判断しかねるのですが、非常に共感できる考え方ですね。
イリヤの終わり方は非常にショックを受けたので、そういう意味合いが込められていると、嬉しさ倍増です^^
投稿: Mr.もやし | 2006年10月18日 (水) 01:42
コメントありがとうございます。
自分だけの偏った読み方ではなさそうということで一安心(笑)。
でも、もし本当にそうだとするならば、ラノベと分類されるものも、時間を折り重ねていく中での「深み」的なものも持ちつつあるのかなぁなんて思えますね。
投稿: やま | 2006年10月19日 (木) 01:13
ライトノベルが誕生して、十年か二十年でしょうか。
過去の作品を、こういった形で再現したお話が作られるあたり、いよいよ歴史が深まってきているのかもしれませんね^^
(文学少女シリーズなんて、まさにそういうお話ですしね)
投稿: Mr.もやし | 2006年10月19日 (木) 10:22
はじめまして。
トラバさせていただきました。
簡単に越えていけないデリケートな問題を挟んだふたりの気持ち、
心からのぶつかり合い、そしてもどかしさがすごく伝わってくる恋愛ドラマでした。
あとがき、私も、そこです、と言ってしまいました(笑)。
コメントやトラバ返しなどいただけたらうれしいです。お気軽にどうぞ。
投稿: 藍色 | 2006年10月23日 (月) 15:57
藍色さん、コメント&トラバありがとうございました^^
二人メールのやり取りは、心に染み渡るようでした。
人と人の意見のぶつかり合いを、こんなにも心揺さぶられるように書ける作家さんは、稀有ですね!
トラバ返しておきました!
もし良かったら、またよろしくお願いします^^
投稿: Mr.もやし | 2006年10月23日 (月) 21:09