書評/赤朽葉家の伝説
赤朽葉家の伝説
著者/桜庭一樹
角川書店
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とうとう化け物じみてきましたなぁ!
――桜庭一樹の筆力は。
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良い点
凄いよ、本当に凄すぎますよ、桜庭さん。
1953年からの日本の社会の変遷を、赤朽葉家の三世代の視点から描いた大作です。
序章で馴染みの薄い戦後の時代が描かれているため、重い文体と相まって読むのがきつかったのですが、半分を超えてからが、怒涛でした。まだ生まれてもいない息子の死を、千里眼で知ってしまった万葉の絶望ときたら、凄絶に過ぎて言葉も出ませんね。
過去の時代の流れがうねりをあげるが如く、現在に影響を与えている様子が克明に記されているため、物語の広がりようが半端ではありません。現在って、過去の積み重ねでできているんだなぁ。60年代。情熱に満ちた鉄の男達の生き様に、惚れてしまいそうになってしまいます。
現代社会の若者の虚無感も、実にリアルに描かれています。感情移入しすぎて、困ってしまうくらい。甲子園に行った程の球児の、仕事に本気になれないという気持ちがわかりすぎて、本当に困りました。それじゃ、いかんのです。本当は。でも、わかっているけど、どうしようもないんです。どうして、こんなに若者の心理を描くのが巧いのだろう。
終盤の二転三転する展開も、秀逸そのもの。
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悪い点
もはや私ごときでは、どこに穴があるかさえ見当がつきません。
ただ、非常に重く、読み応えのある作風だけに、物語が盛り上がるまで待てない人もいるかもしれませんね。軽~いラノベ読みな私には、初めがきつかったのです……。
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総評
凄い。凄すぎます。
もはやライトノベルと比較できるような作品では、なくなってしまいました。文章といい、物語の質といい、壮絶過ぎて圧倒されてしまいました。維新風に表するならば、「ステージが違う」とでもいいましょうか。
これからずっと桜庭一樹は、こんなクオリティで書き続けるのでしょうか……。毛鞠のような末路になってしまわないか、心配です(苦笑)
ついに桜庭一樹は、私のようなラノベ読みの想像の範疇を、遥かに超えていってしまったのですなぁ。
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