書評/ミミズクと夜の王
“ミミズク”と彼女を見守る“夜の王”の心暖まる童話文学でした。
序盤はちょっと退屈してしまったんですが、急展開を迎える中盤からは楽しめました。辛く苦しい過去を持つミミズクに対する、“夜の王”の無言の優しい心遣いの数々に、心温まります。自らは囚われの身でありながら、ミミズクの記憶を封印してあげる心遣いは実に憎い。
ミミズクが「フクロウの絵を焼いたあなたを絶対に許せない」と胸の内で語るシーンなど、綺麗事ばかりでないのもいいですね。
ディアの手足を治癒した夜の王に、「……許せとは言わぬ。夜の王よ。それでも」「……心から感謝する」というシーンも胸を打ちます。特に終盤は秀逸。引き込まれました。
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悪い点
目立つ欠点は、見当たりませんでした。
ただ正直に言わせてもらうと、童話文学的な作風の物語なため、私の好みとする領域の外にある本でした。読んでいる最中は、「うーん、好みじゃない……趣味じゃない……」とうんうん唸っておりました。
それでも、読み終えた後は、「良いお話だったなぁ」と思わされてしまったのは、凄いなぁ。
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総評
童話文学的な見地から見れば、非常に優れた作品であったと思います。突出した巧さを感じたわけではありませんが、かなり広範囲の世代に受け入れられ得る物語ではないでしょうか。
個人的にこう、普段読んでいる本と趣味がかけ離れているため、次作を手に取るかどうかは、はなはだ微妙ですが、うん読んでおいてよかったです。
非常に良質な物語だと思います。
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