書評/時載りリンネ(1)
時載りリンネ!
1 はじまりの本
著者/清野静
イラスト/古夏からす
角川スニーカー文庫/角川書店
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第11回スニーカー大賞<奨励賞>受賞作
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“200万字の本を読むことで、1秒だけ時を止めることができる”時載りの少女リンネと、普通の少年・久高による、ひと夏のジュブナイルストーリーです。
清涼感溢れる筆致と、多彩な語彙で綴られる時載りの設定に、風情が漂う。いやあ、新人としては、かなりの凄腕ですね。
キャラ重視ではなく、雰囲気重視の“感じさせる”作風。
12歳の少年少女による物語。そのためでしょうか。どこか仄かな郷愁感が香る、懐かしさを感じさせる物語だと思いました。
最初は喧嘩ばかりしていたリンネとルウが、物語が進むに連れて仲を深めてゆく様子が微笑ましいですね。
難点を挙げるならば、後半のバイロフとの戦闘部分。凪の隠された能力による逆転劇は、ちょっと御都合主義に見えました。何か、秘められし力を示唆するような伏線が欲しかったところです。でもそれくらいかな。
ラノベサイト界隈の各所で絶賛されている作品ですが、なるほど。確かに質の高い物語だったと思います。ただし、あまりに綺麗すぎて、私の琴線には触れなかった作品でもありました。上半期の人気新シリーズ「ミミズクと夜の王」や「黄昏色の詠使い」と同様、あまりに美しすぎる物語には、どこか物足りなさを感じてしまうようです。
けれど、作者の“本への愛情”が、じんわりと伝わってくる10章は、もう素晴らしかったですね。良質の物語であることに関しては、疑いようもない作品でした。
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コメント
今日の朝読み終えたんですが、結構よかったという感じで、大絶賛までには及ばないと思いました。
>何か、秘められし力を示唆するような伏線が欲しかったところです。
一応p160の久高が釘をさしてるのは伏線といえるのではないでしょうか。あとはGからの説明とじいちゃんの手紙にあった口数の話も伏線だったみたいですね。普通の人ならGの話と口数をつなげられないと思いますが・・・。当然私は分かりませんでした。
投稿: half-moon | 2007年9月 2日 (日) 11:08
half-moonさん、お久しぶりのコメントありがとうございます~。
>結構よかったという感じで、大絶賛までには及ばないと思いました。
私もそれぐらいのお気に入り度ですね。
どうも合う人と合わない人がいる作品のようです。
>伏線
ああ、一応伏線があったんですね~。
投稿: Mr.もやし | 2007年9月 2日 (日) 11:52
この本を読んでふと疑問に思ったんですが、時載りの能力は時載りの視線を受けた「もの」の時間を止めるというものだとすると、普通の時間が流れている世界と時間軸がずれてその時間の世界にはとどまれないのではないでないか
例えば13:00にあるとある物の時間を1分間だけ止めたとすると13:01には13:00の物があってはおかしいのでその存在は否定されてしまうのではないか
こういうことは無視されるんでしょうか?
投稿: half-moon | 2007年9月 2日 (日) 13:41
んー、おっしゃる通り、矛盾がありますよね(苦笑)
ただ、時間物はどうしてもどこかに矛盾が発生してしまうものなんですよ。
おそらく、設定の機微より、読者へのわかりやすさを優先したということではないでしょうか。
投稿: Mr.もやし | 2007年9月 2日 (日) 23:55