書評/インシテミル
インシテミル
著者/米澤穂信
文藝春秋
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時給11万のバイト求人広告に応募した12人が、地下の実験施設で殺人に関わっていく――ロジックミステリです。
ふー、面白かった。
人数が多い序盤は、登場人物を把握するのに苦労しました。しかし、登場人物の描写が充分になされた中盤以降で、物語に引き摺り込まれてしまいました。
いったい誰が、誰を殺したのか。類推材料の少ないうちは、推理できませんでしたが、物語が終盤に向かうに連れて考えられる材料が増えてきて、おもしろくなっていきました。西野殺害の犯人は薄々感付けたかな。殺人ゲームの火付け役として、機構が殺したのではないかと予想してました。まさかガードに撃ち殺される自殺とは思っていませんでしたが。
物語が謎に満ちたまま進行するため、否応なく推理させられます。これが楽しい。結城が意外にキレ者だったり、岩井がミステリ読みだったり、須和名さんから不気味な一面が垣間見えたりと、物語自体も波乱に満ちています。化粧品に偽装して薬物を持ち込むという手口は、思いつきそうで思いつかなかったなあ。
最終的に、西野さん殺しの犯人しか、私にはわかりませんでした。しかし、だからこそ全ての謎が明かされる終盤は、まさかまさかの連続で非常に楽しめました。
個人的には「ボトルネック」や「夏期限定トロピカルパフェ事件」の方が好みですが、今回もおもしろかったです。次回はぜひぜひ「秋期限定マロングラッセ事件」をよろしくお願いします。
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