書評/キノの旅(11)
―the Beautiful World (11)
著者/時雨沢恵一
イラスト/黒星紅白
電撃文庫/メディアワークス
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「このライトノベルがすごい 2007」第5位
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主人公は旅人・キノ。旅の道連れはモトラド・エルメス。
これは、1人と1台が多種多様な個性を持つ国々を訪れ、奇異な国風に触れていく物語。
どの巻、どの短編から読んでも問題ありません。
大人向け、童話仕立ての短編集です。
奇妙で独特な文化を持った国、及び国民は、それだけで興味深く楽しめる内容。
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双方向通信機能を備えた携帯端末でのやり取りが発達した国。その地下に、1人ぼっちで残された男が描かれる「つながっている国」。
モチーフは、明らかに2ちゃんねる。
画面上の情報だけを頼りにする故に、現実に気づかない姿が皮肉に描かれています。
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最も私の心に響いた話は、「アジン(略)の国」。
飢餓を乗り越えるため、国民の3分の1、総数5百人を犠牲にした国。
8ページにも渡って綴られる、その国名の由来は、読者の想像に任されています。
その由来に気づいたとき、思わず涙。
素晴らしい結末でした。
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旅に出る前のキノが、学校に通うお話「学校の国」
道を作り続ける人々、その驚嘆の理由を描く「道の話」
武装グループと争い、秘められた真実が明らかになっていく「戦う人達の話」
いずれも皮肉に満ちた「キノの旅」らしい粒揃いの短編ばかり。
人間の暗部を描き出した、おすすめの一作です。
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コメント
>つながっている国
これは読みながら「ああ、2ちゃんねるがモデルだな」と言うのがすぐ分かりましたね。思いっきり皮肉ってて面白かったです。
>アジン(略)の国
3回読んでやっと理解。あー!そういうことか!
こういうのは初読で理解しないと感動がやってこないですね。なんかくやしいです。
投稿: i-nya | 2007年10月10日 (水) 17:53
「つながっている国」はあの男性の異常なタイプの早さから、「全部あの人の自演なんじゃないか」という説がありましたよ。キノが「自分が幸せだと思えるならそれでいい」みたいなこと言ってた気が。
副題も「スタンドアローン」だし。
投稿: ap | 2007年10月10日 (水) 18:53
>i-nyaさん
3回読んでやっと理解。あー!そういうことか!
私も最後の数ページを何度か読んで気づきました(笑)
かなりわかりづらかったですが、そこが気に入ってます。
今回は残念でしたね。
>apさん
「全部あの人の自演なんじゃないか」という説がありましたよ
ほうほう、それはおもしろい説ですね。
ちょっと読み返してみます。
投稿: Mr.もやし | 2007年10月11日 (木) 00:45