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2007年11月 2日 (金)

書評/有頂天家族

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有頂天家族

著者/森見登美彦

幻冬社

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「夜は短し 歩けよ乙女」で山本周五郎象と本屋大賞第2位に輝いた、森見登美彦の新作!

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狸の一家による、ホームコメディです。

古風で風情のある文体が特徴の作家ですが、今作でも味わい深い雰囲気がしっかりと表現されておりました。

極めて豊富な語彙と独特のリズムを持った文章なため、ただ読んでいるだけでも楽しい気分になってきます。

毎度のことながら、惚れ惚れさせられます。素晴らしい。

物語の根幹にあるのは、家族愛。

物語自体は、「笑いあり」「涙あり」のオーソドックスな家族物なので、京都が舞台となっています。

ただし、登場人物のほとんどが狸や天狗であり、家族の父・総一郎が物語開始当時、鍋にされ既にこの世を去っている設定が上手く生かされていたと思います。

「お願いだから、あなたたちだけは鍋にならないで」という母狸、「やりたいことはすべてやった。一匹の狸としての役目をまっとうしたのだ」と、全てを受け入れ鍋となった父・総一郎。

明かされる、次男・矢二郎が井戸の中で蛙として暮らす、本当の理由。そして、そんな矢二郎をきちんと理解している母。

読んでいるだけで楽しいというのに、こうして時折ホロリとさせられる場面が幾つも挿入されるのですからたまりません。

いやあ、おもしろかった。

森見さんの文体は、個人的に凄く好みだなあ。雑誌では、早くも第二部が始まっているようですが、私は単行本派。次巻をゆっくり待ちたいと思います。

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